Linux 7.3正式リリース I/O高速化とAMD Zen 6への準備
Linux 7.3が予定どおりリリースされました。ext4の高速化、VRAMの少ないAMD GPUでの性能改善、cgroupの新しいスケジューリングモード、2026年版Steam Controllerのドライバーなどが入っています。次のLTSになる見込みなので、長期運用するサーバーや組み込み機器で採用するカーネルの候補になります。

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Linux 7.3が予定どおりリリースされました。ext4の高速化、VRAMの少ないAMD GPUでの性能改善、cgroupの新しいスケジューリングモード、2026年版Steam Controllerのドライバーなどが入っています。次のLTSになる見込みなので、長期運用するサーバーや組み込み機器で採用するカーネルの候補になります。

LWNが7.3の開発サイクルを集計しました。LLMの支援を受けた貢献が大量に入り、ほぼすべての指標で過去最高を記録しています。記事では、自動パッチレビューで混入するバグが実際に減っているのかも検証しています。AIがカーネル開発の品質にどう影響しているのかを数字で確認できます。
Fedora 45から、仮想コンソールの描画・フォント・キーボード配列の処理がカーネルのfbconからユーザー空間のkmsconに移ります。TTYで作業する人や、障害時にコンソールから復旧する人は操作感が変わる可能性があります。Fedoraの変更は他のディストリビューションにも広がることが多いため、事前に記事を読んでおく価値があります。

AIエージェントやボットが、現実にはあり得ないドライバーとハードウェアの組み合わせを大量に試し、バグ報告が殺到していました。対策として、ドライバーを強制的にバインドした状態をtaintフラグで記録する仕組みが7.4のドライバーコア更新に入ります。このフラグがあれば、開発者は不自然な環境で出たバグ報告をすぐに見分けられます。

EDACサブシステムが、ほとんど使われていない古いハードウェアドライバーを7.4で削除します。理由は、こうしたドライバーにLLMが生成した修正パッチが次々と届き、メンテナーの負担になっていたためです。古いサーバーでECCエラー検出に該当ドライバーを使っている場合は、削除対象に含まれていないか確認が必要です。

Linus Torvalds氏がClaude Codeを使って作ったコードを、MetaのKiryl Shutsemau氏が手直ししました。folioの参照を取らずにページキャッシュから読み出す変更です。多数のCPUスレッドが1つのファイルを細かく読む処理で、大きな性能向上が出ています。データベースやビルドなど、同じファイルを並列に読む負荷で効果が期待できます。

7.3に続いて、7.4でもBtrfsの性能最適化が入る予定です。Btrfsは、openSUSEやFedoraではデフォルトのファイルシステムです。スナップショット運用などでBtrfsを使っている環境では、カーネルを更新するだけで速くなります。

GNOME 51で、モニターがスリープしているのにGPU使用率が高いままになるというバグ報告がありました。これを受けて、17本のパッチがMutterにマージされました。ノートPCのバッテリー持ちや、つけっぱなしのデスクトップの消費電力に直接効く修正です。

CanonicalのVM管理ツールMultipassはこれまでUbuntu専用でしたが、1.17でUbuntu以外のLinuxディストリビューションも直接起動できるようになりました。Windows・macOS・Linuxのどこでも、コマンド1つで他のディストリビューションの検証環境を用意できます。

Intelのエンジニアが、Steam PlayのProtonにXeSSを追加するプルリクエストを出しました。VKD3D-ProtonとDXVKにも対応する変更を出しています。マージされれば、Arc GPUを使うLinuxゲーマーもXMXで高速化したアップスケーリングを使えるようになり、Windowsとの機能差が縮まります。

K3 SoCに続いて、SpacemiTがサーバー向けのRISC-VプロセッサV100を発表しました。これまでRISC-Vは組み込みや開発ボードが中心でした。V100はデータセンター向けの製品で、Linuxのサーバー用途がx86とArmの外にも広がる一例です。

10月5〜7日にプラハで開かれたLPC 2026の講演動画がYouTubeで公開されました。スケジュールページからも各講演の動画にたどれます。カーネルやユーザー空間の基盤技術の議論を、会場にいなかった人も追えます。