Linux Digest

Linuxの最新ニュースを毎朝日本語でまとめてお届けします

Linuxの最新ニュース(2026-10-17)

Linux 7.3は10月18日(日)にリリースされる予定で、ベンチマークでも性能の向上が確認されています。一方、X.Orgではクライアントライブラリに17件の脆弱性が公開され、2週間前のサーバー側12件に続いてX11周りの更新が続いています。ディストリビューションでは、Ubuntu 26.10の各フレーバーがそろい、Fedora 45は1週間延期、GNOME OSは一般ユーザー向けのPreview版を公開しました。

X.Orgのクライアントライブラリに17件の脆弱性が公開

必読セキュリティPhoronix · 17 More Security Vulnerabilities Made Public For X.Org Libraries

X.Orgの複数のクライアントライブラリについて、17件の脆弱性が一度に公開されました。X.Org ServerとXWaylandで12件が公開されてから、まだ2週間たっていません。Waylandのデスクトップでも、XWayland上で動くX11アプリはこれらのライブラリを使っています。Mageiaはすでにlibx11の更新を出しており、ほかのディストリビューションからも順次パッチが届く見込みです。

Linux 7.3は18日リリース予定、性能改善とValve発の変更が目玉

必読カーネルPhoronix · The Best Features Of Linux 7.3: Performance Improvements, Lots From Valve

Linux 7.3は、直前に問題が出なければ10月18日(日)に正式リリースされます。性能面の改善が多く、Valveの開発者による変更もまとまって入りました。96コアのThreadripper PRO 9995WXで行われたベンチマークでも、さらに性能が伸びています。Ubuntu 26.10はこのカーネルを採用済みなので、手元で試すのも簡単です。

Steamベータ版で64bit版Linuxクライアントが登場

必読デスクトップ/アプリGamingOnLinux · Steam Beta for October 15 brings a 64bit Linux client, Achievement Sets and more

10月15日のSteamベータで、Linux向けクライアントが64bit化されました。これまではSteamを動かすためだけに32bitライブラリ一式を入れる必要がありました。64bit化が正式版に入れば、32bitサポートを縮小したいディストリビューションの足かせが一つなくなります。複数の実績をまとめて扱う「Achievement Sets」も同時に追加されています。

Fedora 45、来週のリリースを見送り

注目ディストリビューションPhoronix · Fedora 45 Will Not Be Released Next Week

Fedora 45の正式リリースは、少なくともさらに1週間遅れます。予定日の判定で、最終版を出せる状態ではないと判断されました。アップグレードを予定している人はスケジュールを見直してください。オンラインのリリースパーティーも、実際のリリース日に合わせて開かれます。

Fedora 46でRPM v6パッケージ形式への移行を検討

注目ディストリビューションPhoronix · Fedora 46 Looking At Moving To RPM v6 Package Format

RHELとFedoraは20年以上RPM v4形式を使ってきました。来年のFedora 46では、新しいRPM v6形式に切り替える案が出ています。採用されると、パッケージを作る側のツールや手順に影響が出ます。将来のRHEL系にも関わるので、パッケージを作っている人は今から議論を追っておくと準備しやすくなります。

GNOME OS Preview公開、安定版リリースから作るGNOME OS

注目ディストリビューションLWN · Introducing GNOME OS Preview

GNOME OSはこれまで、開発者向けにNightly版だけが配布されていました。新しく出たPreview版は、最新の安定版であるGNOME 51.1から作られ、開発者以外の利用者を想定しています。ビルドの元は、FlatpakのランタイムであるGNOME Platform(org.gnome.Platform)の安定版と同じブランチです。GNOMEを素の状態で日常的に使える環境として、正式な安定版に一歩近づきました。

Ubuntu 26.10の各フレーバー出そろう、Ubuntu MATEも復帰

注目ディストリビューションOMG! Ubuntu · What’s new in the Ubuntu 26.10 flavours?

Kubuntu、Xubuntu、Lubuntu、Ubuntu Kylin、Ubuntu Unityなど、26.10の公式・コミュニティフレーバーが一斉にリリースされました。どれもLinux 7.3とMesa 26.2という共通の土台を使い、Ubuntu MATEも久しぶりに復帰しています。いずれも暫定リリースで、たとえばUbuntu Kylinのサポート期間は9か月です。長期運用するならLTSを選ぶのが無難です。

Microsoft DefenderがLinuxデスクトップに対応(パブリックプレビュー)

注目セキュリティOMG! Ubuntu · Microsoft Defender is now available on Linux desktops

MicrosoftのセキュリティスイートDefenderに、Linuxデスクトップ版が加わりました。現在はパブリックプレビューの段階で、Microsoft 365 E5などの企業向け契約を前提とした製品です。社内のWindows端末と同じ管理画面でLinuxの端末も扱えるようになるので、Linux PCの業務利用を説明しやすくなります。

MesaのZinkがVulkan Video経由でVA-APIに対応

注目デスクトップ/アプリPhoronix · Mesa's Zink Now Offers VA-API Video Acceleration Atop Vulkan Video

Mesaのメインブランチに、Zinkドライバーで動画のハードウェアアクセラレーションを使うための初期実装がマージされました。Vulkan Videoの機能を、アプリからはVA-APIとして使えるようにする仕組みです。Vulkanドライバーさえあれば、既存のVA-API対応プレーヤーやブラウザーでハードウェアデコードを使える道が開けます。

Linux 7.4、TDX仮想マシンのDoS対策にIntel Instruction Timeoutを採用

注目カーネルPhoronix · Linux 7.4 To Enable Intel Instruction Timeout For Fending Off TDX VM DoS Attacks

Linux 7.4では、Intel CPUの新機能「Instruction Timeout」が有効になります。開発中は「Notify VM Exit」と呼ばれていた機能です。これを使うと、TDXの仮想マシンが命令を使ってホストを止めてしまうDoS攻撃を防げます。機密コンピューティング向けのVMを運用するクラウド事業者やホスト管理者にとって、防御策が一つ増えます。

カーネルのRustで自己参照型の構造体を安全に書く手法

注目カーネルLWN · [$] Safe self-referential data structures in kernel Rust

自分自身を指すデータ構造は、Rustの所有権のルールではunsafeなしに書くことがほぼできませんでした。Gary Guo氏はKangrejos 2026で、カーネルのpin_initクレートを拡張してこの問題を解決する手法を発表しました。これが取り込まれれば、NVIDIA向けのNovaドライバーなどで、寿命の管理まわりのunsafeコードを大幅に減らせます。

Linux NFSサーバーの最近の変更と今後の予定

カーネルLWN · [$] Recent and future changes to the Linux NFS server

2026年のLinux Plumbers Conferenceで、NFS開発者のJeff Layton氏が、LinuxのNFSサーバー実装の最近の改善点と今後の予定を紹介しました。NFSは歴史の長いプロトコルですが、今も仕様の拡張が続いています。ファイルサーバーやHPCでNFSを運用している人は、カーネルを上げたときに何が変わるかの見通しを立てられます。