Linux Digest

Linuxの最新ニュースを毎朝日本語でまとめてお届けします

Linuxの最新ニュース(2026-10-09)

カーネルでは古い機能の整理が進んでいる。EXT4 の data=journal モードが非推奨になり、x32 ABI の削除パッチも再び出てきた。Rust 関連では、NVIDIA 向けの Nova ドライバ、COSMIC デスクトップ、Microsoft の LiteBox に動きがあった。AI も開発の現場に入り込んでいる。カーネルのパッチレビューに使われ始め、Flathub は AI 生成物の扱いを見直した。

EXT4、data=journal マウントオプションを非推奨に 2028年に削除予定

必読カーネルPhoronix · EXT4 Deprecates Its Journaled "data=journal" Mode

EXT4 で、ファイルの中身もジャーナルに書き込む「data=journal」モードが非推奨になった。2028年に削除される予定だ。fstab やマウント設定でこのオプションを指定しているサーバーは、今のうちにデフォルトの data=ordered などへ切り替える計画を立てておきたい。

Ubuntu の公式サイトが DDoS 攻撃で一時ダウン、現在は復旧

注目セキュリティOMG! Ubuntu · Ubuntu websites offline due to ‘sustained’ DDoS attack [Resolved]

Canonical は、Ubuntu の各サイトが持続的な分散型サービス拒否(DDoS)攻撃を受けて停止したと発表した。ISO イメージのダウンロードなども使えなくなっていたが、その後復旧している。8日にダウンロードやドキュメント閲覧が失敗した人は、もう一度試せば利用できる。

Linux x32 ABI の削除パッチが更新、廃止の議論が再開

注目カーネルPhoronix · Patches Updated To Begin Removing The Linux x32 ABI

64ビットモードで32ビットのポインタを使う x32 ABI について、削除に向けたパッチの新版が投稿された。x32 は以前から利用者がほとんどおらず、これまでも何度か廃止が検討されてきた。x32 向けにビルドした独自環境を持っている場合は、議論の行方を確認しておく必要がある。

Rust 製 NVIDIA ドライバ「Nova」、公式に使われるドライバを目指して開発が進む

注目ハードウェアPhoronix · Nova Driver Continues Progressing With Long-Term Goal For Official NVIDIA Linux Use

プラハで開かれた LPC2026 で、NVIDIA の John Hubbard 氏と Red Hat の Danilo Krummrich 氏が Nova ドライバの現状を発表した。Nova は Rust で書かれたオープンソースのカーネルドライバで、メインラインに入っている。長期的には NVIDIA 環境で公式に使われるドライバになることを目指しており、プロプライエタリドライバに頼っている GeForce ユーザーにも将来の選択肢が増えることになる。

Steam ベータ版、Steam 外から追加した Windows アプリで Proton を標準で使うように

注目デスクトップ/アプリPhoronix · Steam Beta Now Defaults Non-Steam Windows Binaries To Using Proton

Valve が新しい Steam クライアントのベータ版を公開した。「Steam 以外のゲームを追加」で登録した Windows 用の実行ファイルは、最初から Proton で起動するようになる。これまでは追加するたびに互換ツールを手動で選ぶ必要があった。他社ストアのゲームを SteamOS や Steam Deck で動かす際の手間が減る。

Google の AI レビュー「Sashiko」、カーネルのパッチ19.1万件を確認しCVE約500件に寄与

注目カーネルPhoronix · Google's Sashiko AI Has Completed 191k Patch Reviews, Cited On Nearly 500 Kernel CVEs

Google が開発した Linux カーネル向けの AI レビューシステム Sashiko は、稼働から1年足らずで19万1千件のパッチをレビューした。500件近いカーネルの CVE で、その指摘が引用されている。AI によるコードレビューが、カーネル開発でセキュリティ上の効果を数字で示し始めた。

カーネルの swap 改修、vswap と xswap の2案で意見が割れる

注目カーネルLWN · [$] The [vx]swap showdown

この1年で swap 層の古い問題はかなり解決された。ただ、swap キャッシュのスロットが swap ファイル上の領域と直接結びついていて、リソースが無駄になる問題はまだ残っている。解決策は2つ提案されているが、どちらもマージできる段階には至っていない。長い議論でも方針はまとまっていない。メモリが少ない環境や zswap を使う環境の性能に関わる話だ。

COSMIC Epoch 1.10 公開、ランチャーの描画が GPU 処理に

注目デスクトップ/アプリPhoronix · COSMIC Epoch 1.10 Released With Launcher Now Using GPU Accelerated Rendering

System76 が、Rust 製デスクトップ環境 COSMIC の最新版 Epoch 1.10 を公開した。目玉はランチャーの描画を GPU で処理するようにした点だ。Pop!_OS とあわせて開発されているため、Pop!_OS ユーザーには順次このアップデートが届く。

Flathub、生成 AI の事実上の禁止を撤回し開示制に変更

注目ディストリビューションGamingOnLinux · Flathub walked back their generative AI ban, replaced with a disclosure policy

Flathub は5月、生成 AI を使ったアプリやゲームの登録をほぼ禁止していた。今回その方針を大部分撤回し、AI を使ったことを開示すれば登録できるルールに改めた。利用者はストアに表示される開示情報を見て、インストールするかどうかを決めることになる。

Microsoft の Rust 製サンドボックス用ライブラリOS「LiteBox」が初リリース

セキュリティPhoronix · Microsoft Issues First Release Of Their LiteBox Sandboxing Library OS

2月に公開された Microsoft のオープンソースプロジェクト LiteBox に、初めてバージョンタグ付きのリリースが出た。LiteBox は Rust で書かれたライブラリOSで、Linux の仮想化向けセキュリティ機能を利用する。Linux 上で Linux アプリを隔離したり、Windows 上で Linux プログラムを動かしたりする用途を想定している。

AI が Photoshop・Premiere・Lightroom の「クリーンルーム再実装」を Rust で作成

デスクトップ/アプリPhoronix · AI Makes "Open-Source, Clean Room" Implementations Of Adobe Photoshop & Premier In Rust

ArtCraft プロジェクトが、Claude Code などの AI エージェントを使って Adobe 製品のオープンソース版を作成した。対象は Photoshop、Premiere、Lightroom で、どれも Rust で書かれている。Photoshop 相当の PhotoCraft はクロスプラットフォーム対応で、すでに多くの機能を備えている。Linux で使える画像編集ソフトの候補が増える一方、AI によるクリーンルーム実装が法的に認められるかという問題も浮上している。

SpacemiT の RISC-V SoC、Linux 7.4 でサポートが拡充

ハードウェアPhoronix · SpacemiT RISC-V SoCs To See More Improvements With Linux 7.4

SpacemiT K3 のメインライン対応が、Linux 7.4 でさらに改善される。K3 は RVA23 に準拠した数少ない入手可能な RISC-V SoC の一つだ。K3 Pico-ITX などのボードで、標準のカーネルを使いやすくなる。