Linux Digest

Linuxの最新ニュースを毎朝日本語でまとめてお届けします

Linuxの最新ニュース(2026-10-04)

10月3日、Greg Kroah-Hartman氏が7.2系から5.10系まで計7本の安定版カーネルをまとめて公開しました。運用中のシステムはまずここを確認してください。アプリ側ではWine 11.19、Zig 0.17が出ました。KDE Plasma 6.8の公開も約1週間後に迫っています。一方、KagiはLinux版Orionブラウザの開発を終了しました。デスクトップ向け商用ブラウザの選択肢が一つ減ります。

安定版カーネル7本を同時公開、7.2.9から5.10.271まで

必読カーネルLWN · Seven stable kernels for Saturday

Greg Kroah-Hartman氏が7.2.9、6.18.55、6.12.112、6.6.158、6.1.189、5.15.222、5.10.271を公開しました。どのリリースもツリー全体にわたる多数の修正を含み、本人がアップグレードを勧めています。自前でカーネルをビルドしている人は今すぐ更新してください。ディストリ標準カーネルの人は、各ディストリが追従したタイミングで更新しましょう。

KagiがLinux版Orionの開発を終了、ソースは公開へ

必読デスクトップ/アプリOMG! Ubuntu · Development has ended on Orion for Linux

KagiはOrionブラウザのLinux版の開発をやめ、macOS版とiOS版に集中すると発表しました。GTKを使ったネイティブ移植で、今年パブリックベータが出たばかりでした。Linux版と開発途中のWindows版はオープンソース化され、今後はコミュニティに引き継ぎを託します。ベータを使っていた人は、フォークが現れるかを見ながら乗り換え先も検討しておくと安心です。

Wine 11.19公開、Vulkan向けWaylandカラーマネジメントに対応

注目デスクトップ/アプリPhoronix · Wine 11.19 Released With Wayland Color Management For Vulkan, DNS Query Caching

Wineの隔週開発版11.19が出ました。主な新機能は、Vulkan向けのWaylandカラーマネジメント、Unicodeデータの更新、DNSクエリのキャッシュです。Waylandセッションでゲームや色に敏感なアプリを動かす人に関係する変更です。安定版のWine 12.0は2027年初頭に出る予定です。

ValveのTimur Kristóf氏、10年前のAMD GPUをLinuxで復活させる取り組みを講演

注目ハードウェアPhoronix · The Amazing Work By Valve's Timur Kristóf On Improving Old AMD GPUs On Linux

Kristóf氏はこの1年、AMDGPUカーネルドライバに手を入れ、GCN 1.0/1.1世代のRadeonのサポートを改善してきました。もとはMesaのユーザー空間側の開発者で、カーネルドライバ開発の練習として始めた作業です。今週トロントでその成果を発表しました。古いRadeonを持っている人は、新しめのカーネルにするだけでゲーム性能や安定性が上がる可能性があります。

Zig 0.17リリース、x86_64-linuxでインクリメンタルコンパイルが実用段階に

注目その他LWN · Zig 0.17 released

5か月の開発期間に206人が参加し、925コミットが入りました。ビルドシステムが作り直され、Build Server Protocolが導入されています。ELFリンカも強化され、x86_64-linuxでは誰の環境でもインクリメンタルコンパイルが動く見込みです。Linuxで開発する人は、ビルドを繰り返すときの待ち時間が短くなります。

短いスライスのタスクが並走するときの遅延を減らすスケジューラパッチ

注目カーネルPhoronix · Linux Patches Show Promising Results For Lower Latency Of Short Slice Tasks

LinaroのVincent Guittot氏が、スケジューリング遅延を改善するパッチ群を投稿しました。狙いは、短いタイムスライスを要求するタスクが同じシステムで複数同時に動く状況です。そうした場面で良い結果が出ています。オーディオ処理や入力応答など、遅延に敏感な処理が混在するデスクトップや組み込み機器で効果が期待できます。まだ投稿段階なので、メインラインに入るのは先になります。

KDE Plasma 6.8、タイル配置したウィンドウがきれいに並ぶよう改善

注目デスクトップ/アプリPhoronix · KDE Plasma 6.8 Now Makes Tiled Windows Fit Together More Nicely

Plasma 6.8の公開まで約1週間となり、駆け込みの修正が続いています。その一つが、タイル配置したウィンドウ同士の収まりの改善です。KWinのタイル機能を日常的に使っている人は、隙間やずれが減るはずです。並行して、次の6.9に向けた機能開発も始まっています。

Linux 7.4でRaspberry Pi Touch Display 2の10インチ版をサポート

注目ハードウェアPhoronix · Linux 7.4 To Support The Raspberry Pi 10-Inch Touch Display 2

Linux 7.4のマージウィンドウを前に、DRM-Miscの変更がDRM-Nextに取り込まれました。その中に、Raspberry Pi公式の10インチ版Touch Display 2のサポートが入っています。7.4以降はメインラインカーネルだけでこのパネルを使えるようになります。Pi向けのフォークカーネルに縛られずに済むので、自作端末やキオスク端末を組む人に関係します。

Mesaの「KosmicKrisp」がVulkan 1.4準拠を取得、Metalとの性能差も縮まる

その他Phoronix · KosmicKrisp Now Conformant To Vulkan 1.4, Improving Performance Against Apple's Metal

KosmicKrispは、LunarGがMesa内で開発しているApple向けのVulkan-on-Metalドライバです。MoltenVKに代わる選択肢として作られています。今回Vulkan 1.4の準拠認定を取得し、ネイティブのMetalとの性能差も少しずつ縮まっています。LinuxとmacOSの両方を対象にVulkanアプリを作る開発者には、移植の手間が減る話です。

Proton Experimental更新、『Sword of the Stars II』『Terminator: Dark Fate - Defiance』などを修正

デスクトップ/アプリGamingOnLinux · Proton Experimental gets fixes for Sword of the Stars II, Plan B: Terraform, Terminator: Dark Fate - Defiance and more

SteamOSとLinux向けのProton Experimentalが更新されました。『Sword of the Stars II』『Plan B: Terraform』『Terminator: Dark Fate - Defiance』などの不具合が修正されています。これらのタイトルで起動や動作に問題があった人は、Steamの互換性ツールをExperimentalに切り替えて試してみてください。

セキュリティ特化ディストリ「Parrot 7.4」リリース

ディストリビューションDistroWatch · Distribution Release: Parrot 7.4

Debianベースでペネトレーションテストやフォレンジック向けのツールを揃えたParrotの7.4が公開されました。今回は初回セットアップを案内するオンボーディングツールが加わっています。Parrotを初めて使う人でも、導入直後に迷いにくくなります。

GNOME向けローカルAIアプリ「Moose」登場

デスクトップ/アプリPhoronix · Moose: GNOME Gains Another Local AI App Option

GNOMEにはこれまでGTK4製のローカルAIアプリとしてNewelleがありましたが、ここにMooseが加わりました。デスクトップ環境に溶け込むAIチャットを手元のモデルで動かしたい人にとって、選択肢が増えます。