Linux Digest

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Linuxの最新ニュース(2026-09-23)

Arch Linuxでは、mkinitcpio 42以降に更新するとTPM2でLUKSを自動解除している環境で再登録が必要になりました。該当する人は更新前に確認してください。systemd 262の公開と安定版カーネル3本の更新も重なり、足回りの更新が多い日です。カーネル側では、Linux 7.3の性能改善を示すベンチマーク、Apple Silicon Mac向け音声パッチ、AMDのGDDR7対応が出ています。

Arch Linux: mkinitcpio 42以降でTPM2によるLUKS自動解除に手動対応が必要

必読ディストリビューションArch Linux News · Mkinitcpio >=42 requires manual intervention for TPM2-based unlocking of LUKS devices

mkinitcpio 42-1から、systemdフックにsystemd-pcrosseparator.serviceが入りました。これによりPCR 0〜7、9、12〜14の計測値が変わります。これらのPCRに紐付けてTPM2でLUKSを解除している場合は、systemd-cryptenrollでTPM2を登録し直さないと起動時の自動解除が通らなくなります。パスフレーズや復旧キーを手元に用意したうえで作業してください。

systemd 262リリース、未レビューコード向けAI/LLMカナリアやLUO連携を追加

必読ディストリビューションPhoronix · systemd 262 Released With AI/LLM Canary For Unreviewed Code, LUO Integration

initシステム兼サービスマネージャのsystemdが262に更新されました。LLMが生成した未レビューのコードが紛れ込んでいないかを示す「カナリア」の仕組みと、カーネルのLive Update Orchestrator(LUO)との連携が目玉です。いつもどおり新機能が多いリリースで、ディストリビューションの次期版に順次入ってきます。

安定版カーネル7.2.7、6.18.53、6.12.111が公開

必読カーネルLWN · Three new stable kernels

Greg Kroah-Hartman氏が安定版カーネル3系列の更新を出しました。今回も変更量が多く、カーネル全体にわたる修正を含みます。LTSの6.18系と6.12系を使うサーバーも対象なので、配布元のパッケージが届き次第適用してください。

AMD EPYCのサーバー性能、Linux 6.18 LTSから7.3までの1年で幾何平均約8%向上

注目カーネルPhoronix · AMD EPYC Server Performance Up ~8% Geo Mean For 2026 With Linux Kernel Improvements

Phoronixが、2025年末のLinux 6.18 LTSから開発中の7.3までを同じEPYC機で比べました。カーネルを替えるだけで、幾何平均で約8%速くなっています。7.2ではI/O性能の伸びが特に大きく、LTSに留まっている環境では新しいカーネルに移る理由になります。

Cache Aware Schedulingの修正がLinux 7.3へ、7.2にもバックポート予定

注目カーネルPhoronix · Cache Aware Scheduling Fixes Queued For Submission To Linux 7.3, Backporting To 7.2

関連するタスクを、最終レベルキャッシュ(LLC)を共有するコアにまとめて載せるスケジューラ機能の修正が、今週中にマージされる見込みです。キャッシュのバウンスを抑えてレイテンシを下げる機能ですが、これまではバグで効果が出ない場面がありました。7.2系にもバックポートされるため、多コアCPUの利用者は安定版の更新でも恩恵を受けられます。

Apple Silicon Macのスピーカーとヘッドセット端子をメインラインで動かすパッチが投稿

注目ハードウェアPhoronix · Patches Posted For Enabling Apple Silicon Mac Speaker & Headset Jack Support On Linux

Asahi Linuxの独自カーネルでは動いていたスピーカーとヘッドセット端子を、メインラインに取り込むための28本のパッチがLKMLに投稿されました。取り込まれれば、Asahi独自のカーネルに頼らずにMacで音を出せるようになります。Apple Silicon機を普段使いのLinuxマシンにするうえで、残っていた大きな課題の一つです。

AMDGPUドライバにGDDR7対応の準備コードが登場

注目ハードウェアPhoronix · AMD Begins Preparing Open-Source Linux Driver For Graphics Cards With GDDR7

AMDが新しいハードウェアIPブロックを有効にするカーネルパッチを投稿し、その中にGDDR7メモリ対応の下準備が含まれていました。GDDR7を積んだRadeonはまだ発表されていません。オープンソースドライバの対応が製品より先に進むのはAMDの通例で、発売日からLinuxで使える可能性が高くなります。

GCCのRustフロントエンドgccrs、カーネルのビルドはまだ先

注目カーネルLWN · [$] Compiling the kernel with gccrs

gccrsの開発者がRustConf 2026とKangrejosで進捗を報告しました(LWNの有料記事)。カーネル内のRustコードをGCCだけでビルドできるようにすることが目標です。開発は順調ですが、実用になるまでにはまだ時間がかかるとしています。現在カーネルのRustコードはLLVMベースのrustcを必要とするため、GCCしか使えない環境やアーキテクチャにとっては待たれる取り組みです。

Ubuntu 26.04 LTSのminimalクラウドイメージからxxdが誤って消える、8月のcurlに続き2度目

注目ディストリビューションOMG! Ubuntu · Ubuntu cloud images dropped another package by accident

Ubuntu 26.04 LTSのminimalクラウドイメージで、16進ダンプツールのxxdが入らなくなりました。8月のcurlと同じ原因です。起動時の乱数生成に使っていたpollinateを外した際にイメージの依存関係が組み替わり、pollinate経由で入っていたパッケージが抜けました。xxdを前提にしたcloud-initやスクリプトがある場合は、明示的にインストールするよう変えておくと安全です。

VRRで目標フレームレートを指定するユーザー空間APIが提案

注目デスクトップ/アプリPhoronix · Variable Refresh Rate "VRR" Target Limiter Proposed For Linux Graphics Drivers

可変リフレッシュレート(VRR)の動作に目標フレームレートを指定できるようにする、Linuxグラフィックスドライバ向けの新しいユーザー空間APIが議論されています。現状、デスクトップのコンポジタやゲームがVRRの挙動を細かく制御する標準的な手段はありません。実装されれば、フレームレートの上限設定や省電力の調整をドライバの仕組みとしてできるようになります。

Steamベータに低遅延ストリーミング用の独自コーデック「Pyrowave」が実験導入

注目デスクトップ/アプリPhoronix · Valve Introduces Pyrowave Video Codec In Beta For Low Latency Streaming

Valveが全プラットフォーム向けのSteamベータで、Remote Play用の新しいビデオコーデックPyrowaveを試験的に追加しました。帯域を多めに使う代わりに遅延を抑える設計で、LAN内でのストリーミングを想定しています。Steam Deckや今後のSteam Frameへゲームを飛ばす用途で操作の遅れが減るか、試す価値があります。

Alibaba CloudがOmarchyに300万ドルを拠出、「理想のエージェント型OS」を目指す

その他Phoronix · Alibaba Contributing $3M USD To Omarchy To Work On Making "Ideal" Agentic OS

DHHが率いるArchベースのディストリビューションOmarchyが、Alibaba Cloudから総額300万ドルの資金提供を受けると発表しました。目標は、AIエージェントが操作する前提の「エージェント型OS」を作ることです。趣味色の強いディストリビューションに大手クラウド企業がまとまった資金を出すのは珍しいことです。デスクトップLinuxのAI対応の方向性を左右する可能性があります。